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ファフナー

理由

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「一騎君はファフナーに乗ってるときどんなことを思うの?」
「どうって・・・」
「たとえば、んーそうだなぁ、翔子のこと、とかは?」
「まっ、真矢!」
「どうだろ・・島やみんなのことを守らなきゃとは思うけど」
「みんな・・・」
「その中に翔子もいるんだよね」
「?・・・そうだけど」
「・・・!」

翔子の顔がほんのり桜色になる。今日はなんだか体調がよさそうにみえた。
今自分は遠見、翔子、甲洋とともにたわいもない話をしていた。まず遠見と翔子が一緒に居て、そこにたまたま通りかかった自分が加わり、というより引き入れられ、どこか慌てた甲洋が更に参加した、といったかんじだ。
それにしても普段明るく優しい甲洋が何も話さないのが気になる。気をつかってあえて話さないようにもみえたが。
甲洋と目が合うたび、調子にのるなよといった鋭い視線がそそがれ、いたたまれなくなってきた。

「もー二人とも喧嘩しちゃだめだよぉ」

遠見が自分と甲洋にいう。
自分は甲洋と喧嘩しているつもりはなかったのだが遠見がそういうなら多分そういった状況になっていたのだ。
翔子は少しおろおろしていた。甲洋はごめんと小さくつぶやいた。やはり遠見は正しかった。

「遠見はすごいな」
「そんなことないよぉ」
「いや、本当にすごいよ」

遠見に聞けば総士の考えていることもわかるのだろうか。
しかし人づてに総士を理解するのは嫌だった。自分が知りたい総士の内面を他人も知ることが許せない。
たとえそれが幼いころから過ごしてきた友人たちであっても。
総士の心の暗い部分を受け入れるのは自分だけでいいと思っていた。
そして自分の醜い感情を包み込むのは総士であってほしいと願った。
だから自分はファフナーに乗るのだ。
島や島の人を守る、確かにそういった責任は感じる。しかしファフナーに乗る回数を重ねるごとにそれは総士のものではないかと思うようになってきた。
自分は交友関係が広いわけではない。むしろ友人とよべるものがいない。
己自身でこの環境をつくりあげたのだ。
島の人を守る。
ほとんどのものの顔も名前も知らないのに?
それは自分の思考ではない気がしたのだ。
本当は誰を助けて生かし、誰を守れず死なせることなどどちらも同じ意味ではないのか、真壁一騎という人間にとっては。
ではなぜこんなふうに口からは建て前ともいえる言葉がでるのか。
自分と総士はシステムをつうじて感情を共用し繋がる。そのとき自分と総士は少しずつ溶け合っているのではないか。総士の思いつめた心が自分の心と同化し、いつの日か自分と総士は同じ考えをし、同じ感情をもち、心がひとつになれるかもしれない。
そうしたら総士の全てが理解でき、総士が自分だけに真の言葉で語りかけ、二人で笑いあえるだろう。
きっと自分がファフナーに乗る理由はそういったことだ。
まるでフェストゥムだな、と自嘲した。

「・・君っ、一騎君ってば!」
「え?」
「え?じゃないよー、さっきから何度もよんでるのに」
「あぁ、ごめん・・」
「人と話してるときに考え事するなよ一騎」
「・・ごめん」
「かっ一騎君も、悪気があったわけじゃないから・・」
「・・羽佐間がそこまでいうなら」
「んーそろそろかえろっか、翔子のお母さんも心配するだろうし」
「わっ、私は別に大丈夫だからっ」
「駄目だよ羽佐間、もうすぐ暗くなるし」
「じゃあ翔子は一騎君に送ってもらいなよぉ」
「!真矢ぁ・・・」
「俺?」
「男の子でしょ」

若干強引にもとれる遠見の発言により翔子をおくっていくことになった。
翔子は顔が赤い。熱でもでてしまったのか。俯き自分と目を合わせようとしなかった。
嫌われてる、わけではないはずだが。遠見がそのように言っていたのだから。
ふと、甲洋のかつてないほど黒い雰囲気に気づきあわてて翔子の手をとり翔子の家を目指そうとした。

「かっ、一騎君!?」
「おぶったほうがいいか?」
「いっ、いっ、いえっ、そんなっ、ことはっ」
「わかった」

そして遠見と一応甲洋に別れをつげて、また歩きだした。翔子の体をきにしながらゆっくりと。
翔子を送り届け、自分も家に帰った。
家につくと茶の間で父がテレビを見ていた。

「ただいま」
「おかえり」

一言だけの会話をし自分もその辺に座る。

「明日ファフナーの訓練がある。遅れないように、と総士君からだ」
「・・・あぁ。」

明日またファフナーに乗れる。
総士の心にまた近づけると思うと自分の存在が確かなものにかんじられた。
何年ぶりかの喜びにふれた。

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