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ファフナー 2

こんな妄想 

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 ※たまってきたので増設。結構前から妄想していたもの。以下設定。
   ・本編後、総士さん戻ってきません→一騎たち24歳へ→パイロットたちは世代交代し、一騎の第一種任務は遠見先生のもと、アルヴィスの子たち、人工子宮および同化現象の研究職員に



「司令、少しお話があるのですが…」

千鶴は史彦に、不安げな趣きで声をかける。

「一騎君のことで少し…」
「どうかされましたか」

二人しかいないアルヴィスの室内では声もよく響く。あたりは薄暗い。

「…一騎君がどうやら、遺伝子操作を行っていた、という報告が…」

史彦は思う。息子がこの職につきたいと申し出たときから、その目的が何なのかなど、誰でも容易く想像できたのではないか。彼と息子の関係を知る者ならば。
しかし誰が、島のためにその命を削り、一騎が己の命より大切にしていた者を奪われた悲しみに口を挟むことができたのであろうか。
正直、一騎はまだファフナーに乗れる。いずれ訪問者はまた現れる。
もしその時、新たなパイロットたちが新たな訪問者に太刀打ちできなかったら。
やはりあの白い機体が動くことになる。
島民もそれを理解し、そして、このつかの間の平和は一騎によって成り立っているようなものだ。
その一騎が何をしようと、どんなに倫理に反していようと、現実に誰として咎めることができない。
一騎の同級生が何か言ってくれるだろうが、きっと息子は耳に入れないだろう。
一騎と同級生たちとの関係は所詮、彼を通してでしか本当の意味では成立していない。
その彼は未だに息子のもとには帰ってこない。
息子が痺れをきらす、いや壊れてしてまうのも時間の問題だったのだ。

そこまで史彦は考えると、一つため息がこぼれた。

「明日、査問会を開く。出席するのは一騎たちより上の世代、私たちと一騎のみだ」
「真矢たちは、呼ばなくてもよろしいのですか」
「余計な混乱は招きたくはない。早朝7時に開始する」
「わかりました」


翌日、真壁一騎の遺伝子操作についての査問会が開かれた。
大人たちは一様に押し黙っている。無言の中には、やはり、といったような諦めが含まれている。
その一方で、一騎の顔色は明るかった。
溝口が口火をきる。

「なぜここに呼ばれたかはわかるだろ。一騎、まず目的を話せ」
「はい。俺がここにみなさんを呼んだようなものですから」

大人たちはざわつく。史彦が口を開く。

「どういうことだ」
「俺と、島のコアが知らせたんです。もう、その時がきた。父さんたちにも会わせたいから」
「一騎、誰を、だ」
「ついてきてほしい所がある。そこで会える」
「一騎!」

父の叫びもやはり一騎の耳には届いてはいない。
溝口は一騎の言葉が信じられなかった。これは一騎だけの問題じゃない…コアもかかわってる。会わせる、ってことはもう完成してんのか。

「ウルドの泉へ」

一騎はそう言うと、一人出て行った。

「おい真壁。これはいろいろまずいな」
「どうしますか」

溝口と千鶴が呆然と立ち尽くす史彦に言葉を投げかける。

「…とりあえず我々も向かうことにしよう」


 ※


ウルドの泉。彼が訪問者に攫われた場所。
その真っ白な一本の道に大人たちは立っていた。先頭には案内者の一騎がいる。
この部屋は訪問者との戦争の後、一騎の願いによってそのままの形で閉鎖されていたはずだった。
しかし、今目の前にあるのは、人が住めるような環境。一騎一人だけでここまで創り上げることは、明らかに不可能である。
彼がいた場所に、千鶴は見覚えがある物を見た。

「…あれは」
「……人工子宮だろうな…」

溝口の返答に千鶴は息を呑んだ。
その丸い形状をした器は、一騎が近づけば、音をたてて下がってきた。
史彦に続いて、大人たちは一騎のもとへと歩み寄る。

「乱暴にミールを定着させるとさ、小さい頃に心を壊すんだ。だから時間をかけた。六年、子宮の中に居させることになったけど」

ああ、と史彦は思う。ただ遺伝子操作を行っていただけではなかったのだ。
島のコアと、六年も隠蔽して、もう完全につくりあげていた。
今日は12月の27日だ。

「おはよう、総士。おかえり」






島のコアが関わっていることが考慮され、一騎の遺伝子操作は不問となった。
表面上はコアが皆城総士を生み出した、ということになった。
真壁家に一人の子供がやってきた。物覚えがよく、すぐに周りの六歳児と変わらないものとなる。

「総士」

小さな子供を一騎は抱きしめる。

「一騎いたいー!」

子供は明るい声をあげる。
幸せそうな息子の顔が史彦の目に映る。
この子供はあと数年のうちに、彼と変わらない姿になるだろう。
これが息子の幸せで本当にいいのか、道は正しかったのか、父としても人としても、史彦にわからなかった。
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