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ファフナー

ちょっとした 2

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※続いた。


8.

ひとり山から町へ下りてくると、どうも島の中が騒々しい。

「総士君っ!」

真壁のおじさんの叫び声なんて初めて聞いた。しかも自分宛にだ、これはなかなか光栄。

「どうしたんですか」

悦に半分浸りつつ、爽やかに返答。

「君が何者かに攫われたと聞いて!自転車だけが無残にも残されているのが発見されていて…なんにしても、よかった。早くお父さんに連絡してあげなさい」
「はい」

何者かは貴方の愛息子ですよ。おじさん。
警察が出動しているなんて。しかもその中で一番偉いらしいおじさん(非番)も出動。
父さん、そんなに焦ってたのか…それにしても僕を攫った張本人が見当たらない。どこいった。


9.

一騎は僕からすこぶる離れてこっちを伺っていた。なんだ、告発するとでも思ってるのか、馬鹿め。

「一騎!自転車持ってきてくれ!」

叫んでみた。一騎はびくっと体を震わして、何か絶望的な顔をした。

「おい…」

仕方なく僕から近づいて、声をかける。

「…総士はまた、俺を苦しめるのか…そうやって」

こいつ…!

「そうは、させない!」

腹立たしさに口を閉じた僕に、一騎は宣戦布告。しかしお前は僕の何と戦うつもりなんだ。


3.


「父さんっ!」

あらん限りの声量で、一騎は父を呼んだ。

「俺だ!俺が総士をやったんだ!」

島民、おじさん、駆けつけたらしい同級生たち、そして僕。全ての人が固まった。場がフリーズ。

「お前!いつかは…!なんで!どうしたら!紅音!」

完全に真壁のおじさんはパニック。

「いつかはやると思ってたけどお!攫ってまでやるかあ!」
「総士が可哀想だろお!」

何か呟いているおじさんの声に合わせて、剣司と衛が叫んだ。
ああ、これはいかん。
意味を完全に取り違えている。

「でも!どうしても俺はやらなきゃいけなかったんだ!総士も受け入れてくれ」

叫ぶ一騎の頭を殴った。


9.

「僕は一騎に攫われて、ただひとり山で話していただけです!繰り返す!話していただけだ!」

自転車に飛び乗って、競輪選手のごとくその場を後にした。


10.

「ねえねえ総士。一騎と仲直りしたんでしょ。ねえねえ総士ってば」

僕の腰に手を回して、乙姫は精神攻撃を始めた。

「よせ、乙姫。僕の心は今深く傷ついている」
「嘘つきー!嬉しいくせに、そういうことばっかしするから一騎が暴走するんだよ」
「それでは僕はどうしたらよかったのか教えてくれ」
「好きってちゃんと言ってあげればいいんだよ」

にっこり花が咲くように笑う妹。いいか、それでは僕が墓穴を掘るだろ。わかって言ってるんだろ。
この、きゃー、じゃない。可愛らしい真似して、僕を貶めようとしか考えていない。

「兄を舐めていると大変なことになるぞ…」
「ごめんなさーい」

悪びれもなく、乙姫は抱きついてくる。


11.
 
翌日の学校は朝から辛かった。
まず、女の先輩から一発殴られそうになる。しかしここで驚異の身体能力を発揮した一騎が先輩の腕を掴みあげる。
「総士に何をしようとした!」
お前はいつから僕のボディガードになったんだ。
先輩は一騎のことが好きだったらしいことなんて、どうでもいいが。
僕はこれから一騎のことを好きな女子からの嫌がらせを受けるのかと思うと悲しくなった。
まあ、それ以降は一応嫌がらせはないので安心。
一騎はとりあえず僕と一緒にいる。緊張している。何か話せ。
なかなかこの無言も苦しい。

「今日、家に来ないか」

一騎が僕を誘った。お前がそう言うならいってやらないこともない。


12.

和室に布団が敷かれている。一騎の部屋は布団以外あまり物がない。
常に散らかる皆城家とは対照的ともいえる。
一騎が毎日寝ているであろう布団に腰を下ろす。
僕の上に一騎が覆いかぶさる。重い。

「一騎、何をする」
「…ごめん、俺、お前に受け入れてもらえたことが嬉しすぎて」

ぎゅうぎゅう締め付ける一騎の腕も心地悪くない、別に。
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