スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←日記 →対比
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ   3kaku_s_L.png   スポンサー広告
  • 【日記】へ
  • 【対比】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
   

ファフナー

戦略

 ←日記 →対比
 今日は、決戦だ。僕が、安眠、という代えがたいものを取り返すための。決戦の場は、何度も小さい頃に通ったこの真壁家だ。敵対するは、妄想にとりつかれた筋肉化け物、真壁一騎。仲介人にその父、史彦。僕はこの身一つで取っ組み合いなどしても、きっと太刀打ちできないだろうから、自分の得意分野で勝負することにした。一騎に僕を言いくるめられるような知能はない。僕の言葉は司令がきちんと伝えてくれるだろうし、一騎が発狂して暴挙に及んだとしても、司令がいるのだから身の安全は保障されているのだ。
勝ったも当然だ。

「お邪魔します」

真壁家の玄関に上がりこむ。司令が出迎え、一つ頷いた。僕はそれを了承と受けとり、司令の後に続く。
茶の間につき、失礼します、と声をかけてから座布団の上に座る。

「一騎を呼ぶからそこで待っていなさい」

司令は一騎を呼びにいった。きっと縛りつけておかなければいけなかったのだろう。あいつはこの戦いを無きものにするために司令に抗議して、暴れたに違いない。一騎だったら、僕と二人だけの対話を望むはずだ。そんな危険なことを僕がするはずもないし、またそんなことは予測済みだ。
激しい足音をが聞こえる。やはり僕の推測は正しかったのだ。

「総士!遅くなってごめんな!部屋の掃除してたら、なかなか終わんなくて」
「一騎、総士君にお茶を」
「ああ、今用意する。父さんもお茶でいいんだろ?」
「頼む」

なんだこれは。誰だお前は。
これから僕は一騎の夜這い紛いの行動について議論するというのに、これでは切り出せなくなってしまったではないか。この子に甘い馬鹿親に、情緒不安定な素振りの欠片もない一騎を疑え、叱れ、とどのように言えというのか。不可能に限りなく近く、僕の志も途絶えそうだ。

「それで、総士君は今日私たち二人に折り入って話しがある、ということだが」
「・・・はい、最近一騎の帰りが遅いとは思いませんか」
「それは君の部屋にいるのだろう」
「ああ、総士とファフナーのことについて話たりしてる」
「ち、ちがっ・・・!」
「?・・・違うのか?」
「え?いや、俺はそうだと思うんだけど・・・」

親子で不思議そうに顔を見合わせている。僕がとぼけたことを言っている雰囲気だと!一騎は平然と嘘をついている!喉まででかかったその言葉を必死に飲み込む。しかし吐きそうだ。

「総士君、何か一騎に言いたいことがあるのだろう」
「!・・はい」
「ならば一騎の部屋に行き、存分に話し合えばいい。私も、公蔵と若い頃によく話し合ったものだ。気をつかわなくていい、二人のことは二人で決めなさい」
「え?あの、ちょ「じゃあ総士俺の部屋に行こう!今綺麗だからさ!布団も干したてだ!」
「では私はアルヴィスにまだ仕事があるのでな。一騎、行ってくる」
「ああ、いってらっしゃい」
「あ、あの!し「総士早くいこう!」

頭が呆然とする。頼みにしていた司令はとんだ疫病神だった。二人きりで一騎の部屋に居るなど、今までの経験上最悪の事態に移行するとしか考えられない。
一騎は僕の腕を強く握って離さない。抵抗はもう無駄だと解りきっていた。
敗北した。
こちらを一度も見向きもせずに無言で階段をのぼる一騎に恐怖する。背筋に悪寒が走った。 

「・・・一騎」

とりあえず名を呼んでみる。しかし一騎は僕の方を振り返ろうとはしなかった。
一騎がこの状況を仕組んだというのか。では先ほどのやりとりは全てこいつの演技か。そうとしか思えないのに、僕は一騎がそんなことをするとは信じられなかった。

「総士、ここ」

一騎が布団の上に座り、やっとこちらを見ながら、僕が座る位置を指定した。それは一騎の足で囲われた中で、腕を伸ばせば抱かれる距離だ。僕に自らこの中に入れ、と一騎は言っている。逃げれないのもわかっているのに、足は一向に前には進まない。

「はやくしろ」

一騎の目が鋭くなって、力がこもった。声も低くなって僕に恐怖を植えつける。泣きそうになりながら、僕は一騎のもとへと歩いていった。

「少し、総士は俺のことを見くびりすぎたよな」
「・・・ああ、そうみたいだな」
「悔しいか」
「・・僕は、お前が怖い・・」

一騎は僕を腕で抱きしめて、耳元で嬉しそうに笑った。

「優しくするよ、総士だからな。俺はいつだって総士には甘い。総士だってわかってるだろ」
「・・・・」
「痛くはしないって」

一騎の言葉が、この後の行為をする前提で話されるものだから、僕は何も口からでない。拒否を伝えたところで、一騎のいいように解釈されてしまうのだ。

「総士、俺の名前をよんで」
「・・・・・一騎・・・・」

二人だけしかいないこの部屋ですら聞き取るのが困難と思えるほどの小ささで、僕は一騎の名を呼んだ。
それが始まりの合図となり、一騎は僕の顎に手を添わせた。
そして一騎の鋭くなった目が少しずつ閉じていかれるのを見たと思ったら、僕の唇に、一騎のそれがあたる感触がした。
関連記事


もくじ   3kaku_s_L.png   ファフナー
  • 【日記】へ
  • 【対比】へ
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
  • 【日記】へ
  • 【対比】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。