スポンサー広告

スポンサーサイト

 ←対比 →       10
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


もくじ   3kaku_s_L.png   スポンサー広告
  • 【対比】へ
  • 【       10】へ
  • TB(-)|
  • CO(-) 
  • Edit
   

ファフナー

洗脳

 ←対比 →       10
昨日は、学校。
今日は、アルヴィス。
今は、己の部屋。

一騎が癇癪をたてる。何が原因なのかさっぱりだ。わかっているのは一騎の妄想癖が予想以上に進行がはやいことだけだ。

「いいか一騎、昨日からお前の行動は異常だ。何がそんなに気に入らないんだ」
「俺は、ただ総士が・・・総士と・・・総士・・・」
「意味がわからない。僕がなんだというんだ」
「総士がっ!」

一騎がいきなり声を張り上げた。この筋肉サヴァンはきっと人より肺の筋肉も頑丈で、肺活量なんかもあって、凡人がメガホンを使わなければ出せない程の声量がでるのだ。うるさい。

「総士がっ・・総士が・・・、他の男なんかと浮気紛いのことするから・・。俺だって我慢しているのに、総士はいつだってそうやって自分勝手に・・」
「待て、それは僕とお前はどういう関係にある話だ」
「何いってるんだ総士・・!そんなことも忘れたのか・・俺の彼女は総士で、総士の彼氏は俺、だろ?」
「だろ?じゃない!いい加減にしろ!その妄想!僕は男だからお前の彼女になるはずないだろ!」
「またその話か・・それは二人で乗り越えていくって、ほら、この前ベッドの中で約束したじゃんか」
「なんでもうそんなことになってるんだ!だいたいお前寝る時は布団の筈だ!お前の部屋は畳だからな!僕は知ってる!」
「だから総士のこの部屋で一緒に夜を過ごしただろ」
「・・・・僕にそんな記憶はない」
「ああ、お前少し眠たげだったもんな、それが俺、可愛くてさ、あと少し総士が意識あったら襲ってたかも」
「何恐ろしいことを平然といってるんだ・・」
「まあ、家に朝いないと父さんが心配するだろうから、総士が起きる前にでてくんだ」
「・・やけに具体的だな」
「事実だっていってるだろ」
「嘘だ」
「本当だぞ」
「嘘だ!」
「そんなに言うなら乙姫に聞けばいいだろ」

そこまで言い合って、妹の名を聞き血の気が引いていくのを感じる。一騎の言っていることが事実なら、という不安と乙姫に聞け、という一騎の自信がどろどろに溶け合っていく。僕のことを、乙姫の名をだすことで、揺さ振っているのか。いや、一騎にそんな頭はない。嘘をつくことなんてこいつはできない。それは僕自身が知っていることだ。

「・・・いつもお前は僕のベッドに潜り込んでいたのか」
「潜り込んでる、っていうかお前だって、俺と一緒に寝たいって言ってる」
「・・そんな、馬鹿なこと、は・・」
「最初は確かに怒ってたような気もしたけど、ちょっとずつ総士もさ、俺にくっついてきてくれたりしてさ、もう俺、本当に嬉しくて」
「それは僕じゃない、僕じゃない!」
「じゃあ今一緒に寝てみよう」
「なんでだ!」
「いや、ほら、なんか思い出すかもしれないし」

一騎が僕の腕をつかんで僕の、ベッドに引き入れる。人間はこんなに軽かったのか、僕の抵抗はこんなにも空しいものだったのかと頭で考えた。体は一瞬床を離れて一騎のもとにおさまった。
一騎の匂いは、知っていた。僕にはその記憶がないのに、やたら安心するこの匂いを僕は知っていた。僕の体温より、幾分高めの温度を保つその腕だって、それに包み込まれるのだって。
一騎の顔がこんなに近くにあることですら嫌悪はなく、あまつさえ、心拍数が上がったような気もした。

「総士」

一騎の、聞きなれた声が頭に響く。
妹の、危機を知らせる音が聞こえた気がした。
関連記事


もくじ   3kaku_s_L.png   ファフナー
  • 【対比】へ
  • 【       10】へ
   

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
  • 【対比】へ
  • 【       10】へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。