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ファフナー(学パロ)

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梅雨も終わり、じとじとした初夏になった。そのころになると一騎と総士の間にはメールの話は挙がらなくなった。一騎が総士を守ることを忘れたのではなく、それは一騎とって息をするのと同様であったからわざわざ確認する必要もなかったのである。
一騎たちの高校は七月に一年生だけで二日にわたって行う球技大会があった。親睦会みたいなものである。しかし球技、というのには語弊があり、女子と男子が同じ種目やることなどを考慮してソフトバレーと海で泳ぐ水中リレーしかなかった。リレーではバトンの代わりにボールを使うので水中リレーは球技大会に含める、というのが教員たちの言い分であった。毎年生徒たちが疑問に思うのもこの高校の一つの風物詩となっていた。

「総士のクラスはどうだ?」
「なんだ、偵察か?」
「違うって」

総士はからかうように笑いながら話す。つられて一騎の口もともゆるんだ。

「そうだな・・みんな上手くやってるさ。まぁ、女子の方が元気がいいな、それで男子がたまに怒られていたりするが」
「俺のクラスもだ」
「蔵前が声を張り上げて仕切ってるよ。僕も恐ろしくて逆らえない」
「なんだそれ」

一騎は総士の口から恐ろしいなどという言葉がでるのがなんだか可笑しかった。総士こそクラスの人間を率いてそうなのに、一騎はそう思う。

「総士は、その、二日ともでるのか?」
「ああ、ちゃんと授業には参加する」
「・・そうか」
「でも一騎がいるクラスが圧倒的だな」
「・・・そうか?」
「女子には要に遠見、男子には衛がいる。それでいてどの体力テストの種目においても校内一の記録保持者がいるんだ。あと剣司もなかなかできる、真面目にやればだが」

一騎は総士に褒められて気恥ずかしくなった。一騎がこの高校の記録を塗り変えたのは事実であったが総士からそう言われるとなんとも居た堪れなくなる一騎であった。俺のこと知ってくれたんだな、という嬉しさも一騎はこみ上げてきた。
その日は雨が降っていた。放課後になり、傘をさして一騎と総士は帰る。風も吹いていたので傘はあまり意味をなさなかった。雨粒が八方から体にふりそそぐ。二人の学生鞄はぬれ、総士の長い髪からは水が滴っていた。

「走るか」

総士が一騎が言う。それに一騎はうなずいて同意を示し、二人同時に駆け出した。一騎は靴が水に侵食されるのを早々に感じたが構わず総士の家を目指した。総士の家の方が学校からは近いのだ。
傘を折りたたみながら一騎は総士の部屋へ入っていく。一騎はその玄関で、水浸しになった総士を見た。ブラウスが体へとはりつき、総士の鎖骨を型どっていた。髪からの絶え間ない水滴が白い総士の肌に落ちる。総士は自分の髪をひとつにまとめ、絞りあげた。そこであらわになる普段は見えぬ後ろ首。骨が浮き上がったそれは一騎の目を釘付けにするのに充分であった。

「どうした?」
「いや、なんでもない・・・」

一騎は総士の声で我に返る。

「待ってろ、タオル持ってくる」

総士は靴と靴下を脱ぎ捨て部屋の奥へ消えた。一騎は己が今考えていたことを躍起になって否定していた。総士の体を舐めてみたいなんて、なんでそんなことを。一騎は総士の肌があまりにも自分の、男のそれとは違うので戸惑っていた。その肌は一騎に砂糖を思い浮かばせた。甘いのではないか、砂糖と同じように総士の肌にも糖度があり舌を這わせたら菓子のような味がする、そんな考えが一騎の中にはあった。
夕方の薄暗い玄関は雨の独特の匂いがした。
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