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ファフナー(学パロ)

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一騎が総士と約束をかわしてから数日が経った。今では一騎は総士と校内で顔をあわせては話をし、放課後はともに帰った。一騎は家の家事をこなさなければいけなかったし、どの運動部からも声をかけられて返答に困ってしまったので部活には入っていなかった。総士も同じようにどの部にも所属していなかった。総士曰く、中学のときの生徒会の仕事で高校での部活の時間も費やしてしまった、らしい。一騎はそれを聞いて内心で、中2までしか生徒会やってなかったじゃんか、と思った。しかし一騎にとって総士といる時間が多いに越したことはなかった。その方が総士の安全にもつながる。そして一騎本人も疎遠だった時間を取り戻したかったのだ。

「なんか最近総士と仲いいよな」

昼休みに衛、剣司とともに一騎は弁当をつついていた。そのときふと剣司が一騎にそう言った。

「そうか?」
「そうだよ、おかげで総士のことだしに使えなくなっちまただろー」
「・・・だしに使うなよ」
「剣司ってば一回も総士のこと誘えたことないくせにー」
「あいつがいっつも適当な理由つけて断るんだよ」
「僕が思うに総士は剣司のことあんまり好きじゃないのかもね!」
「ちっげーよ!総士が嫌なのは女子にちやほやされんのがだろ!」
「断る理由わかってるなら誘うなよ」

わかってるけどさーと剣司はぶつくさ言う。一騎は総士になんで剣司の誘いを断るのか聞いてみようと思った。総士はある時期からあまり人と交流を深めようとはしなかった。人と一定以上親密になろうとしなかった。一騎にはその理由はわからなかった。ただ、多すぎる人との関係に疲れただけかもしれない。忙しくて相手ができなかったのかもしれない。総士が何も語らなかったのでその理由づけは憶測にしかならなかった。なので今こうして総士に選ばれ、ともに過ごせるなんて一騎にとっては目が覚めたらいつもの現実でした、というような短くて甘い夢にしか思えなかった。それほど一騎は幸福の中にいたのだ。

「一騎君、ちょっと」

真矢に呼ばれた。いつもの柔らかい声は少し尖っていた。なんだろう、と一騎は頭を悩ませながら真矢についていく。真矢の女性らしい角がない背を追っていくと階段の踊り場へとついた。真矢が一騎へと振り返る。

「皆城君と最近何かあったでしょ?」
「何かって・・?」
「例えば、なにかお互いに秘密にしなくちゃいけないこととか」

確かに総士とは約束事をした。しかしそれは秘密にしなくてはいけないのではなく、一騎自身が秘密にしたかったのだ。真矢や他の人間に総士に送られてきたメールのことを話した方がいいのかもしれない。だがそれが本当に総士のためになるのだろうか。話題にのぼるほどメールの相手も躍起になってくるのでは、そう一騎は考え誰にも総士のことを話さないでいた。それらは建前で、一騎の心の奥には総士と秘密を共用していたい、自分一人が総士を守りたいという独占欲が渦を巻いていたが。

「なにもないよ」
「・・・本当?」
「ああ」
「ん~、じゃあともかく皆城君のことは気をつけて!」
「?・・わかった」

総士のことを守れってことだろうか、と一騎は疑問に思ったがすでに実行していることだったので深くは考えなかった。

「俺、日直で職員室いかなきゃいけないから」
「うん」
「じゃあまたあとで」
「さっき言ったこと忘れないで」
「ああ」

真矢の切羽詰ったような声にはどこか悲しさが詰まっていた。一騎はその言葉を頭に刷り込みながら担任のもとへ急いだ。



総士との約束から二週間が経った。その間、総士の携帯には今までのことが嘘だったようにぱったりと脅迫じみたメールはこなくなった。しかし油断は禁物だ、とかどうせ家にいても暇だしなどの理由をつけては一騎と総士はお互いの家をいったりしてともに時間を過ごした。その日は一騎の部屋に二人はいた。案外総士も暇なんだな、と一騎は思っていた。そして数日前の剣司の言葉を思い出す。

「総士はなんで剣司の合コン断るんだ?」
「なんでそんなこと聞くんだ」

総士は笑って答えた。一騎は少し恥ずかしくなる。

「いや、一回も参加しないって剣司が言ってたから少し気になって・・」
「一騎は僕が合コンにいった方がいいのか?」
「はぐらかすなよ・・・」

総士は慎重に言葉を選ぶ。

「・・・あんまりそういうの好きじゃないんだ」
「女子にちやほやされるのが?」
「女子にって限定する訳じゃないけどな」
「男子もいやなのか」
「まぁな。相手のことを考えずに自分の欲だけぶつけてくる奴とかいるだろ」
「そうなのか」
「いいんだ、僕はこうして一騎と一緒にいるほうがいい」

はにかむように総士は言う。一騎は体温が上昇していくのを感じた。総士は思いがけないところで爆弾を仕込む。無意識ほど怖いものはない、そう思わずにはいられない一騎であった。
そして剣司は強ち正解を外していた訳ではなかった。
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