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ファフナー(学パロ)

快音が響き亘る 1

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一騎は今、教室にいる。そこで四月の初めのまだ少し肌寒い風が咲き誇る桜の花を飛ばすのを窓から見ている。今年で高校に上がることになった。ほかの地域からも人が集まるので知っている顔ぶれもいれば、全く知らない人もいた。そんな中、入学式を終えてから数日経ち、なんとか高校に通うのにも慣れてきたところだった。
もうすぐHRか、そう一騎が思った矢先、一騎のクラスの担任が教室へ入ってきた。
起立、礼、着席、と学級委員の控えめな声がした。その後はちょっとした連絡を担任が伝え、いつもの通り授業が始まる。そして一時限目が終わり、休み時間に差し掛かる。次の授業は体育であった。生徒たちは授業と授業の間の短い時間に着替えねばならない。男子は教室で着替え、女子は隣の空き教室で着替える。女子の着替えが覗かれたり、服が盗まれたりするのを防ぐためだ。この年になれば互いに異性を意識するという教師の配慮であった、だが一騎はあまりそういった方面には興味がなかった。そんなことに浮かれてはいけない、といった考えを潜在的にもっていたからかもしれない。

「一騎ぃ~次のバスケもいつもの通り頼むぜっ」
「剣司はバスケに勝って咲良に自慢したいからでしょー」
「うっせ!」

近藤剣司と小楯衛だ。一騎と同じ小学校、同じ中学でいわゆる幼馴染だ。いつもの通り、というのは一騎が他の人間に比べてずば抜けた運動能力をもち、それを剣司が幼いころから知っているためである。そして咲良というのも一騎の昔馴染で剣司が想いやっている活発な女子である。女子と男子では種目が違うので体育の授業を行う場所も違う。そして体育は隣のクラスと合同でする。球技などの種目ではクラス対抗で行うほうが生徒のやる気も結束力も生まれやすくなる。しかし一騎には非常に困ったことがあった。それは隣のクラスにいる、皆城総士、と顔を合わせなければいけないというこであった。総士と一騎は幼いころの出来事をきっかけに疎遠状態になっていた。一騎は総士の左目を奪ったことに罪悪感を持ち続けていた。罪人と被害者であり自分に裁きを下せる立場にある人間が楽しくバスケなんてできるわけがないのだ、一騎は体育のたびに暗い気持ちへとなっていた。しかし一騎がどんなに目立たないように努めようとその運動能力の高さはバスケが始まってしまえば一騎の意思に反してでも皆に期待され、引き出されることになってしまった。そして一騎は総士に注目されないことばかり祈っていた。
着替えを終え、体育館へと剣司と衛とともにむかう。その途中で総士をみつけた。周りには一騎の知らない人たちが三、四人いた。
総士は日本人にしては珍しい茶色で、今も太陽の反射を受けてきらきらする綺麗な長い髪をもっていた。そして色素が薄いのは髪だけでなく肌もであり、外国の人のように白い肌であった。目は大きく、まるで絵に描いたような顔であった。左目の傷が総士を完全なものとすることに邪魔をしていたが、ここまで容姿が整った人間で、しかも頭もよく、大人な性格であったので誰からも好かれた。それは人として良く思われるだけでなく、いわゆる恋愛の対象としてもなることも多かった。男女問わず。今までにもあまりそういう話に疎い一騎でさえ誰彼が総士のことを好きだというのは耳にした。そのたび一騎は嫌な思いをした。なぜかを考える前に、総士のことで自分が口を挟むことはできない、という考えに至りそのなぜか、については考えず仕舞いであった。
そして一騎がどうやって今日の体育を乗りきるかに考えを巡らしている間に体育館についた。

「では始め!」

教師の声でバスケの試合が始まる。次々にパスが回され人と人がボールをめぐってぶつかりあう。男子高校生の体育のバスケはまるで乱闘だ。ルールも大まかにしか理解していない生徒たちは獣ののように争う。人が吹っ飛ばされることなんて当たり前であった。

「一騎っ、決めろよ!」

剣司からボールが渡され一騎はゴールへとむかった。その瞬間、一騎の目に総士が自分のクラスの誰かにぶつかられていくのが映った。相手の肩が総士の胸部に強く当たり、そのまま後ろへ倒れていく。総士は痛みと驚きで目を閉じていた。総士、そう無意識に一騎は思った。そしてボールを手放し、総士のもとへ足を一歩駆け、二つの腕で総士を抱きとめた。三つ息を整えた後、総士と一騎はお互いに顔を見合わせた。周りの生徒は不思議そうにしている。

「ごっ、ごめんっ・・」
「・・・・・」

慌てて一騎は総士を離した。総士は無言だった。少し驚いたように目を大きくしていた。何をしているのだ自分は、なぜ自分から総士へと、混乱した頭で一騎は総士から遠ざかった。

「じゃあ始めるよ~」

衛がボールをもって試合を仕切りなおした。どうやら一騎が手放したボールはラインを越えなかったらしい。その事実に一騎は少し安堵し、総士のことはせめてこの試合の最中は考えぬようにした。
時間になり、総士のことで一度だけゴールを決める機会を失くした一騎のクラスだったが、やはり一騎の身体能力によって見事勝利した。

「一騎がいきなりボール放すからよぉ、こっちはすげぇびっくりしたんだぜ?」
「僕も僕も」

剣司が体育館から帰る途中、一騎に声をかけ、それに衛も賛同した。

「いや、なんか俺もなんであんなことしたのか・・・」

一騎はありのままを話す。

「まぁ総士もあのまま倒れてたら危なかったよね」
「ってかなんであいつバスケでてんの?目は大丈夫なのかよ」
「高校入ってからはちゃんと体育受けたいんだって総士が言ったらしいよ」
「へー」

衛と剣司のやりとりを聞いてだから総士は試合にでていたのか、と一騎は思った。自分が傷つけたことはといえ、危ないことはやめてほしかった。無論、そんなこと総士本人には言えないが。そう一騎が悩んでいたところで一騎は自分の名が呼ばれるのを聞く。懐かしい、誰よりも一騎が聞きたかったその声で。

「一騎」

総士が一騎に話しかける。一騎は心臓が高鳴るのをありありと感じる。

「一騎、少し二人だけになりたい」

一騎の返答をまたず総士は続ける。緊張と、なんでそんなことを、という考えで声が出せない一騎はただ何度もうなずくことしかできなかった。数年ぶりに話しかけられ、しかも二人だけになりたいと言う総士の考えは一騎の理解の範疇を越えていた。
ちょっと借りるよ、と剣司と衛に総士が伝えた。一騎は自分が赤面しているの感じ、それを恥ずかしいと思いながら総士の後へとついていった。激しい運動をした後だからだけではないはずの汗を一騎はかいていた。匂ったらいやだな、そんな女子のようなことまで考えていた。
総士は一騎を校舎の日陰となっているところにつれてきた。

「一騎、さっきはありがとう」
「おっ、俺、別にたいしたことっ・・」
「いや、僕は嬉しかった」
「そ、総士・・・」
「お前が僕のこと助けてくれるとは思わなかったから・・」
「総士が助けてほしいって言うなら、俺はいつでもお前のこと助けるよ・・・」

一騎は消え入りそうな声で話す。

「よかった、僕、一騎に嫌われてると思っていたから」

にこっと笑いながら総士はそう告げた。

「そんなことないっ!」

思わず大きな声がでてしまった一騎に一騎本人を含めて二人で驚く。
総士はくすっとまた笑った。

「じゃあ今日は僕と一緒に帰ってくれ、放課後むかえにいくから」

悪戯気に総士は約束を取りつけ、一騎が口を金魚のようにぱくぱくさせているうちに、じゃあ僕、教室に戻るからと言って去ってしまった。一人残された一騎は、これは夢じゃないのか、本当に現実なのかという幸せな審議を繰り返していた。
そして一騎は次の授業に遅れた。
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