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ファフナー

始まり

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それはなんとなく、ただいつもの通りに過ごしていたときだった。

総士が見てきたもの、見ているものを自分も見れば総士のことが理解できると思い、島をでた。
そして自分は島へ帰って変わった。
総士は相変わらず不器用で難しい顔をしてばかりだったが、それを嫌に感じることがなくなった。
そのようにしか振舞えず、またそのようにしか許されぬよう育ってきたのだ、総士は。
総士の長い孤独と責任で押しつぶさそうな心に気づいたとき、自分の中に総士を守ろうなどという気持ちが湧いた。
総士に対し自分の見方が変わることで、やはり総士は総士のままであったことがわかったのだった。

マークザインでの帰還をはたし、総士との距離が狭まったと感じていた自分はうかれていたのかもしれない。
咲良や剣司との訓練を終え、アルヴィスの廊下を一人歩いていたときだった。
自分からみて右のかどから総士がでてきた。
歩きながら総士のことを考えていた。肌が白いのは外にでないからだろうか、など。
そうしたら本人があらわれた。
避けきれなかった、否、避けなかった。近い、近すぎた。思考が追いつかない。
なぜ、と思いつつ総士に突撃した。

「っ!」
「ぃっ・・・・」

軽く反動をつけたせいで総士はふっとんだ。向かいの壁に頭を打ってしゃがみこんでいる。
恐ろしくなった。また、自分が総士を傷つけたのか。
声がでなかった。これは罰なのか、総士を理解した気になり、一人だけ舞い上がっていた愚かさの。そんなことが頭を駆け巡った。

「ばかかっ!」 

総士が右手で頭を触りながら怒鳴った。

「お前の身体能力だったらよけれるだろうっ!」

「・・・総士が居たから・・」

間をあけてから、自分でも意味不明な供述をした。逃げなかったこと、言葉を紡げたことに驚いた。
成長したのかもしれない、といったちょっとした達成感を感じていた。
総士はひどく不快そうな顔でこちらを見上げていた。

「・・何を言ってるんだ一騎」
「・・・・ごめん。」
「謝る気ないだろ」
「いや、その・・・ごめん・・」
「じゃあなぜ避けなかった、というよりなぜ僕に体当たりするんだ」
「か、体が勝手に」
「ばかかっ!」

本日二度目。

「本当なんだ総士!信じてくれ!」
「誰がそんなこと信じる!」
「で、でもっ!」
「お前僕に恨みでもあるのかっ!?」
「違う!お前に恨みなんかあるもんか!ずっとお前のこと考えてたんだ!そしたらお前がでてきて・・」
「・・・・・・・」

「それは愛だよ、総士」

乙姫がひょっこり顔をだし、そう告げた。

「「・・・は?」」
「一騎は抑えられなくなっちゃったんだよ」

仕方ないんだよ、と言って乙姫は去ってしまった。
思わぬコアの出現にあっけにとられた自分と総士だったが、そのおかげか総士の不快そうだった顔がいくらか和らいだ。

「とりあえず頭を冷やしたい」
「俺も、少し落ち着いたほうがいいと思う」

お前さっきから怒鳴りっぱなしだし、と言おうとしたところで、

「そっちじゃない!」

と総士がまた声を荒らげた。

総士の部屋につき、ベットへ総士を寝かせた。
先ほどのことがあってから部屋まで無言だ。気まずい。

「遠見先生のところで氷枕もらってこようか・・?」
「・・・いい」
「・・頭まだ痛いか?」
「・・もう大丈夫だ、お前は家に帰れ」

そういわれたが、このままでは何かいけない気がし部屋にとどまった。

「・・・一騎?」

なかなか帰る気配を見せない自分に総士が声をかけた。そのときひらめいた。
寝ている総士の頭を撫でてみる。優しく、壊れ物をさわるように。

「・・何をしている」
「せめてこれだけでも」
「やめろ帰れ」
「いやだ」
「僕だっていやだ」
「人にさわってもらうと痛みがやわらぐって遠見先生がいってた」
「・・お前が僕にぶつかってきたんじゃないか・・」
「それは、その・・ごめん」

総士は少し疲れているのかあまり抵抗はせずに自分のなすままになっていた。
総士の髪は綺麗だった。だれかの髪をさわりたいと思ったことはなかったが総士の髪だったらずっとなでていてもよかった。色素は薄いが艶があり、一本一本は細いのにふわっとする感触がきもちよかった。そしていい匂いがした。
15分ほどたったころに、眠い、との申し出があったので部屋をでることにした。というより、総士が怒っていなさそうだったので自分も満足し引き上げた。

その夜、布団の中でやけに鮮明に総士のことを考えた。髪の感触、匂い、眠たそうに何度も上下するまつげ、白い頬、浅い呼吸、いつもより柔らかい声、ベットで横になっていた総士が頭から離れない。
心臓が高鳴った。
そして乙姫の言葉をおもいだした。


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